発刊日: | 2013年7月26日 |
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ページ数: | 150ページ |
税抜価格: | 500,000円(ハードコピーのみ)/ 600,000円(ハードコピー及び電子ファイル) |
エナジーハーベスティング(以下EH)の最大のアプリケーションとしてワイヤレス センサーネットワーク(以下WSN)への応用が期待されている。そのWSN は、笹 子トンネル天井崩壊事故をきっかけとして今後急増する、老朽化社会インフラの 予防保全分野におけるインフラモニタリングシステム(IMS)で大きな飛躍のチャ ンスを得ようとしている。
IMSは、センシングと構造物のリスク分析の理論的な整合性研究の進化段階とし て、短期・中期・長期の活用のあり方が検討されており、早い段階から事業規模 の急拡大が想定されている。エナジーハーベスティングを利用したWSN(以下 EH-WSN)は、その最大の特徴が自立型であることからIMSには応用適性が高 く、期待できる市場である。
本レポートでは、IMS向けWSN、EH-WSN の立ち上げに向けて、関連する国の 政策、エンドユーザーのニーズの整理、及び、市場参入の課題とその解決策、 参入障壁を乗り越えるために必要なトリガーなどを明らかにし、各参入プレイ ヤーが取るべき戦略を明らかにする。
今後伸長が期待されるIMS市場で利用されるネットワークは現時点では有線 が優勢である。WSN の利用率を拡大するためには、グローバル視点に立った 通信規格の標準化を進め、日本の優れたデバイスのグローバル展開を可能 にすることが求められる。
また、EH-WSNの普及を促進するためには、EHの長寿命・メンテナンスフ リーという訴求点を有効化する必要がある。現状の電池を前提とするWSN の ビジネスモデルの呪縛にとらわれず、その転換を可能にする新たな次元のメ リットをユーザに提供する戦略モデルが求められる。それを実現する開発・提 案が必須である。
関連する各社が、新たな潮流を作りだすチャンスを捉えた緻密かつ大胆な戦 略的展開に踏み出すことで、WSN のみならずEH-WSNの市場の拡大は必 然の方向性となる。本書は、そうした提言にも踏み込んで分析を進めている。
ITを活用した社会インフラモニタリングに関しては、安倍政権の第三の矢である新たな成長戦略 (日本再興戦略)に明記されており、国家戦略の一部としての位置づけがなされた格好である。 日本再興戦略は、図に示す通り、日本産業再興プラン、戦略市場創造プラン、国際展開戦略の 3つの要素で構成されている。世界市場の3割を獲得するとされている。
・・・中略・・・・
インフラ点検・診断システムの項目において世界市場規模としてセンサー:0.5兆円(現在)→10 兆円(2030年)、モニタリングは2030年に20兆円の規模と見積もられている。2030年には、国 内の重要インフラ・老朽化インフラは全てセンサー、ロボット、非破壊検査技術等を活用した高度 で効率的な点検・補修となっていること、また、点検・補修センサー、ロボット等の世界市場の3 割を獲得することが目標として明記されている。