(市場調査レポート)セルフケアのためのストレス検知デバイス最新動向2024

発刊日:2024年7月
ページ数:151ページ
税抜価格:500,000円(電子ファイルのみ)/ 550,000円(ハードコピー及び電子ファイル)

概要

2015年、Garminが光学式心拍センサ搭載のスマートウォッチForerunner 225を、2016年にはAppleが同センサ搭載のApple Watch Series 1 を相次いで発売し、自ら生体データを継続的に取得することが可能となった。予てから世界的な少子高齢化による医療費の増大と生活習慣病の患者の増大、2020年に始まったコロナウイルス感染拡大から医療資源がひっ迫したことも相まって、ウェアラブルデバイスを使用した健康管理(セルフケア)に注目が集まった。

またコロナウイルス感染拡大によりリモートワークが急速に普及している一方で、「リモートワーク・バーンアウト」が増加している。米国企業は従業員の健康及びメンタルヘルスの向上を経営上の課題として捉え、企業・投資家が投資の対象としている。2021年には200 人以上規模の企業の83%が、減量、禁煙、ライフスタイルや行動の指導などのウェルネスプログラムを、医療保険のオプション等を通じて従業員に提供している。

米国企業が実施するウェルネスプログラムでは、アプリやウェアラブルデバイスなどのデジタルツールを用いて、ストレスや不安などのメンタルヘルスのケアに注力している。ストレスレベルの検知に対応するスマートウォッチやスマートリングなどのウェアラブルデバイスも相次いで発売されている。現時点において、ストレスレベルを客観的に計測する方法は確立されていないが、ストレス計測の目的やデバイスの性能に合わせてストレスレベルの基準を設定し、計測値の相対的な変化を知ることで、企業の従業員のメンタルヘルスの管理や個人のヘルスケアに役立てることは可能になった。

本レポートは、セルフケアとしてストレスを計測するためのバイオマーカ・生体信号を整理した上で、それらを計測するための技術の研究開発、さらにストレスを検知・計測するためのデバイス動向、市場環境、及び市場規模を提示する。セルフケアのための、生体信号利用とバイオマーカ利用を合わせたストレス検知可能なデバイス の市場規模は、2034 年に$62B と予測する。

目次

1. 本レポートの背景
2. Executive Summary
3. ストレス概論
    3.1. ストレスとは
        3.1.1. ストレスの時間的経過
        3.1.2. 生体のストレス応答
        3.1.3. 3 つのストレス反応
        3.1.4. 急性ストレスと慢性ストレス
        3.1.5. 心の外傷
    3.2. ストレス評価方法の概要
        3.2.1. ストレスの非侵襲な評価方法の種類
        3.2.2. ストレスの非侵襲な評価方法の形態
    3.3. 生理指標
        ・ 精神疲労を評価する指標の探索
    3.4. ストレスバイオマーカの概要
        ・ ストレスと疲労のバイオマーカ
        ・ 唾液マーカーでストレスを測る
4. ストレス検知バイオマーカと検出手段
    4.1. 生化学的バイオマーカ 検出部位と種類
        4.1.1. ストレスを検知するバイオマーカ詳細
            ・ Biomarkers in Stress Related Diseases/Disorders: Diagnostic, Prognostic, and Therapeutic Values
        4.1.2. 唾液中のストレスバイオマーカ
        4.1.3. 唾液中のストレスバイオマーカ 2
            ・ 唾液を用いたストレス評価
            ・ 唾液中バイオマーカによるストレス評価
        4.1.4. 汗におけるストレスバイオマーカ
            4.1.4.1. 汗センサによる健康管理
                ・ Identification of Suitable Biomarkers for Stress and Emotion Detection for Future Personal Affective Wearable Sensors
        4.1.5. 皮膚ガスにおけるストレスバイオマーカ
            ・ Identification of Suitable Biomarkers for Stress and Emotion Detection for Future Personal Affective Wearable Sensors
            ・ 資生堂 ストレスで皮膚から特徴的なニオイが発生することを発見 (プレス 2018-10)
        4.1.6. 呼気ガスにおけるストレスバイオマーカ
            ・ 新しい酸化ストレスのバイオマーカ:呼気一酸化炭素濃度
        4.1.7. 尿におけるストレスバイオマーカ
    4.2. ストレスバイオマーカ検出手段・・・研究・試行・プロダクツ
        4.2.1. バイオマーカを検出するための方法
            ・ Stress Biomarkers in Biological Fluids and Their Point-of-UseDetection
        4.2.2. 唾液バイオマーカ検出
            ・ Current methods for stress marker detection in salivaGinevra Giacomello1, Andreas
            ・ NEC ソリューションイノベータ 蛍光偏光法による唾液のストレスマーカー検出
            ・ NIPRO 唾液アミラーゼ
            ・ Cube Reader
            ・ FET バイオセンサを利用する唾液ストレスマーカー検出 EC SENSING
        4.2.3. 汗バイオマーカ検出
            4.2.3.1. 各種汗バイオマーカ検出レビュー
                ・ Identification of Suitable Biomarkers for Stress and Emotion Detection for Future Personal Affective Wearable Sensors
                ・ Investigation of Cortisol Dynamics in Human Sweat Using a Graphene-Based Wireless mHealth System
                ・ CortiWatch: watch-based cortisol tracker
        4.2.4. においセンサの概説
            4.2.4.1. においセンサの構成
            4.2.4.2. 人間の嗅覚の仕組みとデバイスによる模倣
                ・ Bio-Inspired Strategies for Improving the Selectivity and Sensitivity of Artificial Noses: A Review
            4.2.4.3. においセンサのキーテクノロジと構成
            4.2.4.4. ガス・においセンサのトランスデューサ技術分類
        4.2.5. 呼気ガスバイオマーカ検出
            ・ 欧州における疾病検出においセンサの研究団体
            ・ 研究開発・実用化動向(大学・研究機関、企業)
            ・ Owlstone Medical
            ・ Technion (LNBD)
            ・ SniffPhone
        4.2.6. 呼気ガスによるストレスバイオマーカ検出
            ・ 富士通研究所 (CuBr)
        4.2.7. 皮膚ガスバイオマーカ検出概論
            ・ ヒト皮膚から放散する微量生体ガスと臨床環境
            ・ 皮膚ガス関連アプリケーション
            ・ 皮膚ガス 計測機器
            ・ パッシブインジケータを用いたヒト皮膚から放散する微量ガスの測定
        4.2.8. 皮膚ガスにおけるストレスバイオマーカ検出
            ・ 大阪大学・パナソニック
            ・ 太陽誘電 超高感度においセンサ
            ・ 産業技術総合研究所
        4.2.9. 尿におけるストレスバイオマーカ検出
            ・ WITHINGS
5. 生体信号によるストレス検知・・・研究・試行・プロダクツ
    5.1. HRV 関連用語定義
    5.2. 心拍ゆらぎ(HRV)
        ・ 心拍揺らぎによる精神的ストレス評価法に関する研究 - パターン認識による評価法の考察
        ・ COCOLOLO
        ・ ヘルスモニタリングのための心拍変動解析
    5.3. 指尖容積脈波
        ・ 株式会社疲労科学研究所
    5.4. EDA
        ・ 皮膚電気活動の情報を取得するシステムの設計/開発/評価
6. ウェアラブルデバイスによるストレス検知技術動向 多重化センサ
    ・ Recent Advances in Multiplexed Wearable Sensor Platforms for Real-Time Monitoring Lifetime Stress: A Review
7. ストレス・感情の推定
    7.1. 概要
    7.2. 声によるストレス検出
        ・ MIMOSYS
        ・ 音声からのストレス状態検出技術
    7.3. 画像によるストレス検出
        ・ カメラ画像による疲労計測技術(RICOH)
    7.4. AI を使ったストレス検出
        ・ NEC、生体情報から従業員の⾧期ストレスの増加を早期発見可能な技術を開発
        ・ スマートフォンのセンサ情報や使用状況からストレス推定
        ・ メールによるストレス可視化 StressReporter
    7.5. 脳波検出
        ・ BRAINNO
8. ストレスによる疾病リスク
    ・ Biomarkers in Stress Related Diseases/ Disorders
9. バイオマーカ検知機器関連研究
    9.1. ストレス評価センサ
    9.2. 電気泳動型ラボチップなど唾液ストレス計測
        ・ ストレス計測評価用バイオチップのプロトタイプ開発
    9.3. 分子インプリントポリマーによる唾液コルチゾール測定
        ・ Cortisol Stress Biosensor Based on Molecular Imprinted Polymer
    9.4. マイクロフルイディクス
        9.4.1. マイクロフルイディクス概要
        9.4.2. マイクロフルイディクスの例
        9.4.3. マイクロフルイディクス用材料
    9.5. ELISA 分析概要
10. ストレス検知デバイス動向
    10.1. バイオマーカ利用ストレス検知デバイス 概論
    10.2. 生体信号を利用したストレス検知デバイス 概論
        10.2.1. 生体信号を利用したストレス検知デバイス 使用形態による分類
        10.2.2. 主なウェアラブルデバイスメーカの動き
        10.2.3. スマートウォッチ/スマートリング以外のデバイス
        10.2.4. デバイスリスト(1) スマートウォッチ&スマートリング
        10.2.5. デバイスリスト(2) スマートウォッチ&スマートリング以外のデバイス
11. 米国企業における従業員のストレス検知事情
    11.1. 健康経営と従業員のストレス
    11.2. 新型コロナウイルス感染拡大以降の従業員のメンタルヘルス
    11.3. ビジネスとしての従業員のメンタルヘルス
    11.4. ストレス検知デバイスの精度と拡大
12. ストレス検知デバイス市場
    12.1. 市場概要
    12.2. 各種ストレス検知デバイスタイプとビジネスの可能性
    12.3. 市場規模
        12.3.1. ストレス検知デバイスの市場推移全体像
        12.3.2. 生体信号利用ストレス対応ウェアラブルデバイス推移
        12.3.3. バイオマーカ利用ストレス対応機器の個別推移
13. 本書の内容に関係のあるふじわらロスチャイルドリミテッドのレポート

図表
    FIG. 1 本レポート 背景概要
    FIG. 2 各種ストレス計測機器タイプとその位置づけ
    FIG. 3 ストレス対応計測器 金額市場規模推移
    FIG. 4 汎適応症候群の時間的経過
    FIG. 5 生体のストレス応答 出典:田中喜秀、脇田慎一(2011)ストレスと疲労のバイオマーカ日薬理誌(Folia Pharmacol. Jpn.)137,185~188(2011)
    FIG. 6 ストレス概要
    FIG. 7 ストレスの非侵襲な評価方法の種類
    FIG. 8 ストレスの非侵襲な評価方法の形態
    FIG. 9 精神疲労を評価する指標
    FIG. 10 生体のストレス反応
    FIG. 11 主な BIOMARKERS
    FIG. 12 TYPES OF BIOMARKERS-2
    FIG. 13 Salivary stress biomarkers
    FIG. 14 唾液から採取可能なストレス物質
    FIG. 15 汗センサによる健康管理に関する研究開発内容
    FIG. 16 汗のVOC ストレスマーカーに関する研究
    FIG. 17 酸化ストレスの呼気におけるバイオマーカ
    FIG. 18 Molecular structure of stress biomarkers in bodilyfluids.
    FIG. 19 Molecular concentration ranges of key stress biomarkers in bodilyfluids.
    FIG. 20 POINT-OF-USE SENSORS FOR STRESSBIOMARKERS
    FIG. 21 ラベルフリーの光検出アプローチ
    FIG. 22 蛍光偏光法による唾液のストレスマーカー検出
    FIG. 23 NIPRO 唾液アミラーゼ
    FIG. 24 SOMA Cubu Reader
    FIG. 25 FET バイオセンサを利用する唾液ストレスマーカー検出
    FIG. 26 汗中のコルチゾール検出
    FIG. 27 AuNP-アプタマーを利用したコルチゾール検出
    FIG. 28 汗中のコルチゾールを検出するために開発されたパッチ型多機能層状バイオセンサ
    FIG. 29 Graphene-Based Wireless mHealth System
    FIG. 30 CortiWatch 3 電極システムの概略
    FIG. 31 CortiWatch オンボディテスト
    FIG. 32 (参考) Wearable sweat sensor
    FIG. 33 人間の嗅覚の仕組みとデバイスによる模倣(東原 東大、森 理研)
    FIG. 34 人間の嗅覚の仕組みとデバイスによる模倣(新村 東京医科歯科大学)
    FIG. 35 デバイスによる模倣(マルチセンサアレイ)
    FIG. 36 Bio-Inspired Strategies: A Review
    FIG. 37 においセンサのテクノロジー
    FIG. 38 においセンサの構成
    FIG. 39 ガス・においセンサのトランスデューサ技術分類
    FIG. 40 欧州における疾病検出においセンサの研究団体
    FIG. 41 The schematic overview
    FIG. 42 Owlstone technology
    FIG. 43 Owlstone Medical
    FIG. 44 Technion
    FIG. 45 Sniffphone
    FIG. 46 富士通 呼気ストレスセンサ
    FIG. 47 皮膚ガスの放散経路
    FIG. 48 NTT ドコモ ウェアラブル皮膚アセトン測定装置 計測原理
    FIG. 49 生体ガスからのストレス物質の検出1
    FIG. 50 生体ガスからのストレス物質の検出2
    FIG. 51 超高感度においセンサによる皮膚ガス検知の可能性
    FIG. 52 産業技術総合研究所 ストレスのモニタリングが可能なセンサーアレイ
    FIG. 53 (参考)サイマックス
    FIG. 54 (参考) 尿検査 一般用:腎機能
    FIG. 55 The first hands-free connected home urine lab
    FIG. 56 HRV によるストレス評価方法
    FIG. 57 COCOLOLO
    FIG. 58 HRV 解析:ヘルスモニタリングのための心拍解析
    FIG. 59 加速度脈波とストレス評価
    FIG. 60 疲労ストレス測定システム
    FIG. 61 EDA システムの設計
    FIG. 62 MIMOS
    FIG. 63 音声からのストレス状態検出技術
    FIG. 64 カメラ画像による疲労計測技術
    FIG. 65 ⾧期ストレスの発見可能な技術
    FIG. 66 スマートフォンの使用状況からAI がストレス推定
    FIG. 67 BRAINNO
    FIG. 68 ストレスによる疾病リスク
    FIG. 69 ストレス計測評価用バイオチップ
    FIG. 70 Cortisol Stress Biosensor Based on Molecular Imprinted Polymer
    FIG. 71 LAB-ON-A CHIP, ORGANS-ON-CHIPS
    FIG. 72 Microfluidic devices for protein detection
    FIG. 73 Paper-based microfluidics
    FIG. 74 ELISA
    FIG. 75 ストレス検知デバイス 使用形態による分類
    FIG. 76 東京医研 ボディチェッカーNEO
    FIG. 77 ウェルアップ ストレス測定器 マインドバランス
    FIG. 78 PLEN Robotics Care Cube (ケアキューブ)
    FIG. 79 Yume Cloud MindScale
    FIG. 80 Knowledge Worker’s Share for Fully Remote and Hybrid Worldwide 2020, 2022 and 202
    FIG. 81 Percentages of Employers Investing More
    FIG. 82 パンデミックを理由にウェルネスプログラムを見直した企業の割合
    FIG. 83 各種ストレス計測機器タイプのビジネスの可能性
    FIG. 84 ストレス検知デバイス市場 台数、及び金額推移
    FIG. 85 ウェアラブルデバイス市場(全体)台数推移
    FIG. 86 ウェアラブルデバイスの全体台数推移 及び生体信号を使ったストレス検知対応機の推移
    FIG. 87 ストレス検知対応ウェアラブル 数量/市場金額推移
    FIG. 88 バイオマーカ利用センサの台数推移と市場金額推移
    Table 1 慢性・酸化ストレスの検出
    Table 2 代表的なストレス評価法
    Table 3 ストレスマーカーとしての可能性が指摘されている生化学物質
    Table 4 Biotic stress markers, the associated ailments and their detection methods.-1
    Table 5 Biotic stress markers, the associated ailments and their detection methods.-2
    Table 6 Salivary biomarkers and assessment of stress.-1
    Table 7 Salivary biomarkers and assessment of stress.-2
    Table 8 各種ストレス環境における唾液中バイオマーカの変化
    Table 9 Overview of different cortisol detection methods and their LOD.
    Table 10 Overview of different sAA detection methods and their LOD.
    Table 11 代表的なセンサレイ向けトランスデューサの特徴と課題
    Table 12 呼気センサ 研究・実用化の状況例
    Table 13 主な皮膚ガスの生成機構と放散経路(推定を含む)
    Table 14 皮膚ガス計測機器開発/販売事例
    Table 15 Multiplexed sensor systems and their characteristics
    Table 16 唾液バイオマーカと各種バイオセンサ
    Table 17 Microfluidics-based molecular diagnostic products list
    Table 18 ストレス検知デバイス市場 台数推移
    Table 19 ストレス検知デバイス市場 金額推移
    Table 20 ウェアラブル台数合計推移
    Table 21 生体信号を使ったストレス検知対応/デバイス台数 及びウェアラブルデバイス全体に対する比率推移
    Table 22 ストレス検知対応ウェアラブル台数推移
    Table 23 ストレス検知対応ウェアラブル市場金額推移
    Table 24 バイオマーカ利用センサ 台数/市場金額推移