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「インフラ維持管理の高度化」講演 報告

KKE Vision 2013(2013年10月17-18日、東京ヒルトンホテル、株式会社構造計画研究所主催)にて、「インフラ指示管理の高度化」というタイトルの下に、IMS(Infra Monitoring System)に関連する各要素技術、ソリューションに関する4つの講演が行われた。

同講演では土木建設、維持管理などの分野において、CIM活用、Big-data活用、ロボット化、HCI活用などの多様な要素技術を利活用した先進的かつ合理的な手法の実用化への意気込みが感じられた。

IMSに関しては大阪大学大学院工学研究科、ネクスコ東日本エンジニアリング、東日本旅客鉄道株式会社、東京大学大学院情報理工学研究科などの大学、企業の講演が行われた。 以下、IMSへの関連性が高い要素技術及び手法などについて概要を記す。

大阪大学大学院 工学研究科 環境・エネルギー工学専攻教授 矢吹 信喜氏
「維持管理情報基盤としてのCIMのあり方と今後の課題」
IMS関連の主要ポイントは以下の通りである。
  1. 全ての点検データの一元管理が必要である
  2. 構造物、設備、維持管理情報等の位置情報を含んだ統合データベースとなるCIMが必要である
  3. CIMとWSNの情報連携及び結合、IOTの利活用が必要である
  4. Knowledge modelの構築が必要である(定性的な知識の整備)
  5. プロセスモデルの標準化が必要である(定量データの確立に向けた開発)
株式会社ネクスコ東日本エンジニアリング技術開発部 研究主幹 藤原 博氏
「道路点検の課題とICTを活用した点検技術」
  1. 3次元での支承反力をモニタリングすることで支承部の影響を観測できる見込みである
  2. 定置型センサによる定点観測と、定期点検による精密集中検査の両方が必要である
  3. 実務にはスクリーニングのための廉価なセンサが必要である
  4. 劣化の加速期におけるスクリーニングがIMSを利用した定点観測対象となる
  5. 大量調達、インターオペラビリティー確保、取得データの標準化のためにセンサ標準化が必須である
  6. 構造物の老朽化対策及び性能照査設計への移行の実施のためにモニタリングが重要となる
東日本旅客鉄道株式会社 JR東日本開発センター テクニカルセンター 主管研究員 瀧川 光伸氏
「ICTを活用した鉄道メンテナンス業務の革新」
  1. 運輸量減少による鉄道収入減による維持管理費減少が危惧される
  2. 検査のICT利活用によるコストダウンが必須となる
  3. 検査データ分析に基づくアセットマネジメントが必要である
  4. TBM(Time Based Maintenance)からCBM(Condition Based Maintenance)への移行が必要である
  5. リニアデータによる状態監視及び高精度な劣化予測を目指す
  6. 設備レベルと修繕コストを見える化し戦略的予算計画を行う(リスクのコスト換算)
  7. 多次元回帰モデル・ウェーブレット解析などを用いたビッグデータ解析による機械装置の故障予兆の把握が必要である
  8. アプリケーション毎の劣化進度に基づくアセットマネジメントが必要である
  9. センシングデータ取得後のエンジニアによる洞察が重要となる
東京大学大学院 情報理工学研究科 知能機械情報学専攻教授 下山 勲氏
「社会資本のエイジングに対応するセンサとロボット技術」
  1. 人口減少によりインフラの収益力が減少しメンテナンス費などの減少する中でどのようにインフラを維持して行くかが今後の課題となる
  2. 国民の世帯構成が将来的に未婚者・無子者の増加により家族による介護が期待できない世帯に対してどのように必要な介護を提供するかが課題である
  3. ビジネスモデル構築に向け何が売れるか、どんなサービスが売れるのか、グローバル展開をどうするか、といった検討が重要である
  4. IMSに影響を及ぼす技術的課題としてセンサの寿命、センサの信頼性の評価、誤報・失報の統計的性質がある
  5. 大きな距離・面積で発生する事象の把握に向けた技術開発が必要となる
  6. IMSに影響を及ぼす非技術的課題として規制、法律、保険がある
  7. サービスレベルと保守コストをセットで考える戦略的予算割当が必要である
  8. ICTの利活用によって過去を分析し未来を予測することが今後重要となる