オンラインレポート

東映、3D映画への意気込み

本年6月、東映は映画およびテレビ作品のデジタルポストプロダクション機能を持つ「東映デジタルセンター」を設立した。 東映は2010年に3本の3D映画を公開するが(8月7日公開「天装戦隊ゴセイジャーエピックON THE ムービー」「仮面ライダーW(ダブル) FOREVER AtoZ 運命のガイアメモリ」、 11月20日公開予定「バトル・ロワイアル3D」)は、すべて上記センターで制作されている。

すでに劇場公開されている「天装戦隊ゴセイジャー」「仮面ライダーW」(2本立てによる上映、合計上映時間約90分)では、昨年制作/公開された 「侍戦隊シンケンジャー銀幕版天下分け目の戦」(3D、上映時間約20分)よりも遥かにクリアで自然な3D映像が実現されている。

実際に制作に携った東映テレビ・プロダクション業務部次長・八木明広氏によると、3D仕上げ作業はわずか1ヶ月少々で行われ、しかも、今年の「ゴセイジャー/仮面ライダー」2本と、昨年の「シンケンジャー」1本分の3D仕上げにかかった期間はほぼ同じ。八木氏の印象では、制作効率が昨年と比較して数十倍アップしたということである。

技術面では、エレメントテクニカ製のミラー・リグ(撮影開始数週間前に入手!)を使用したことで、子供向けの作品であることを考慮し、通常6.5cmとされる目幅を5.5cm以下に設定が可能となった。3D映像のチェックに関しては、昨年は撮影現場で8インチのチェック用モニタを使用していたのを、現場、ポストプロダクション、VFXクリエイタ(特撮研究所・日本映像クリエイティブ)において同じサイズのモニタ(アスナ製24インチ3Dモニタ)を使用することで収録時に視差の調整が可能になったこと、2D3D変換による3D映像の制作に関して、昨年は外注で行っていたのに対し、今年は東映社内でビクター ・JVCの3Dイメージプロセッサ IF-2D3D1を採用して作業が行われたこと、などが作業の効率化に大きく貢献した

八木氏は、「3D映画制作には2D映画と比較して膨大な機材の調達・運用、そのための時間もかかる。ハリウッドと比べてマーケットの狭い日本映画ではそれをいかに落とし込んでいくかが重要である」と語っているが、東映が「東映デジタルセンター」を設立することによって3D映画およびデジタル・シネマの制作環境を整備し、制作効率のアップを図った結果、昨年よりもはるかに質の高い作品が出来上がったことは東映の、そして日本の3D映画の未来の明るさを感じさせる。

グレーディングルーム
東映デジタルセンター内にあるグレーディングルーム
IF-2D3D1
ビクター・JVCの3Dイメージプロセッサ“IF-2D3D1"